Thursday 29 March 2012

安野光雅さん、絵本。

安野光雅さん、もう絵本を描いて40年以上という方の絵本展があるということで、展示会終了間際ギリギリの先週、板橋区立美術館に行ってきました。

美術館のある板橋区赤塚は、長く僕自身の地元でもあるので名前自体に親しみはあるのですが、近いがゆえになかなか行く機会もなく、初訪問。すぐ近くには郷土資料館が隣接していて、そこには小学生の頃、社会科見学で行ったことがあるので、実際には10数年ぶりということかな。
自宅から自転車で、せっせとアップダウンの多い赤塚へ!

周りには緑もあり、ゆったりとした空気が漂う住宅街となっているので、とても静か。美術館といっても国立新美術館や現代美術館といったモダンな建物ではなくて、どちらかというと近所の図書館風。この表現が、我ながら『まさに!』という感じなのですが、中に入った瞬間、懐かしい小学校の頃の図書室と同じにおいが!! においの記憶というのは凄いもので、当時の思い出 (あっそういえば借りたまま返していない本があったな…とか) がフツフツと湧き出るように出て来て、なんだかノスタルジックな気分に浸っていました。




さて本題の安野さんの絵本ですが、何度か今までに絵を見たことはあったので、そーそーこれね!という振り返りながら観る楽しみと、へぇーこんなものもあるのね、なんていう新しい作品も見ることができ、安野さんの絵本史の全体を知ることができました。

それにしても安野さんの絵の挿し方がほんとに面白い。『面白がって見てもらえれば、それでいいのです』みたいなことが冒頭のメッセージにも書いてあるのですが、エッシャーなどから影響を受けている、だまし絵の『ふしぎなえ』や、飛行機の着陸寸前の視界から描かれた『旅の絵本』、他にも数学や化学を題材にしたものなど、どこかしらに色んな仕掛けやヒネリが加えられていて、遊び心のある世界ばかり。
描かれている人も、なんだか味気ないように見えて、じっくり見ていると愛おしく思えてくる不思議さもあり。絵本という表現の広がりにますます入り込んでしまいそう。

ちなみにお気に入りは『おおきなもののすきなおうさま』。
愛らしい王様の我が儘ストーリーも、本質をずばっと捉えているので、まっすぐメッセージが伝わってきます!

すでに展示会は終わってしまっていますが、常設は鳥取?にあるということなので、そんな遠くない未来にでも旅する予定。もし板橋区に来る際は、ちょっとアクセスが不便ではありますが、板橋区立美術館に足を運んでみてください。
きっと懐かしい、ほっとした気持ちになれますよ〜。
こんなメッセージもお茶目でしょ?笑