Saturday 16 June 2012

士気凛然、勇気百倍。

2012年は天文の年。
既に様々な天体ショーを通してお気づきの方もいるかと思いますが、それにも増して、よくぞ予測できるものだ!なんて自分の中では、宇宙の動き以上に、地上から思いを馳せて、その未知なる動きを予測なり計算なりしてきた人を凄いな~なんて思ったりもしていました。

そんな中で先日ふと読みだした「天地明察」。
9月には岡田准一さん主演で映画公開がされる予定の作品で、舞台は江戸、江戸時代に生きた天文学者のハナシ・・・そう、時代小説ですが実在した人物なんですね。

代々続く名家の囲碁棋士でありながら、算術に長けていて、次第に国家事業に関わるようになる。そして、日本独自の暦を作るべく長きに渡って奮闘していく。一見エリートに見えるけれど、使命と自分の思いの間で揺れ続ける。
まだまだ"家柄"や"地位"、"階級"といったものに縛られている時代の中で、自分を生かすという難しさは現代の比じゃないなと。素直に情熱を傾けることに関して周囲の目を気にしなくてはいけなかったり、持って生まれた才能を発揮する場に辿りつけなかったりなど、自分ではどうすることもできない外的要因がものすごく多かったのは間違いないんですよね。

そうそう、主人公の渋川春海が登場するのが、彼が23歳のとき。まさに同い年!だからというわけではないけれど。似たような悩み、葛藤に妙に共感出来るというか、生きた時代は違えど、考えること思うことに時代っていう大きな違いはなかったのかもしれない。
特に彼が若いときの心情が事細かに描かれているので、その部分を深く感じながら読んで頂けたらと思います!

20年以上を要して完成することになる"暦"も、いくつもの失敗や挫折を乗り越えて完成することになるんですが、ある意味諦められない状況だったり、自分ではない周囲の期待に応えたい願望だったり、どんな時も絶えず支え続けてくれる存在も含めて、ひとって素晴らしいなって感じました。人が創りだすものへの熱意と愛情も。

天に触れるということ。
まさに自らの手で天の動きを感じることができる、予測できるようになったのだから自分が考えていることなんか全く不可能じゃないんだろうと思う。
今まで星や空を観ることは幾度となくあったけれど、それがどういう風に動いて、いつどうなるのか、綺麗だな〜とは思っても考えたことがなかったかもしれない。というか、考えても自分じゃ全くわからないのが、本当のところだけど笑。
ただ、当たり前と思っていることや定石に対して疑問を抱き、解いて行く。新しい道をつくる。貫く。それが先に繋がる。きっとこの循環はどんな時代になっても人が人である為に必要なのかなと。

何か少しネガティブな思いになってしまうことがあったら、夜空を見上げて天に触れつつ、先人達の思いにも触れてみたいと思います。

士気凛然。うん、背筋がピンってなる感じ好きです◎

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