Sunday 24 April 2016

トンコハウス展



新橋のリクルートクリエーションギャラリーG8で開催中の"トンコハウス展"。
PIXARでアートディレクターを務めていた堤大介さんとロバート・コンドウさんによるアニメーションスタジオの展示です!

J-WAVEの番組"ZAPPA"でも紹介させていただいて、まだオープンする前の絶賛製作中の時間帯(バタバタの中ありがとうございました!)に伺ったのですが、実際に堤さんにもお会いし、色々とお話も聞くことができました。
世界各地の映画祭で受賞をし、アカデミー賞にもノミネートされた"The Dam Keeper"や次回作品の"Moom"を中心にたくさんのアートワークがこれでもか!っというくらい展示されています。会場を回りながらも、まさか日本でこんな風に"製作現場"の表と裏を見せてくれるなんて…という驚きとともに、「待ってましたー!」という気持ちですでに何度もお邪魔しているんですが、作品における原画展などは通常あっても、ここまで見せてくれる空間というのは他にはない、逆にこんなに公開しちゃっていいんですか!?と心配になってしまうくらい。

"The Dam Keeper"はPIXARのようなオールCGではなく手描きで描かれたアニメーション。言葉はなくともそこから全ての感情が伝わってくるような温かみのあるタッチで、全体のトーンが素敵。吸い込まれるなぁというくらい、絵自体が持つ力をあらためて感じます。どのシーンも額縁に入れたくなるような、美しい絵の数々。
光、影、構図、色、動き方などなどあまりにも自然過ぎて、観ているこちらがすんなりと受け入れて特別気づかないようなことにまで、細部にわたってとても綿密なんです。絵描きの目を1日でもいいから、借りたいくらいです!
きっと世界が違って見えてくるんだろ〜なぁ。


忠実に再現されたブタくんのダムの小屋は、本当に動かせるという徹底ぶり。
(※実際に直接触れることはできないですが!)


映画の中でキツネくんが描いた絵も飾ってあります。
この絵が、物語のKEYでもあるんですよね。



会場には"The Dam Keeper"以外にも、Future Projectとしてまだ映像化されていない未発表のものも個人的にはこのコーナーにニンマリ。
ちょっとしたストーリーの欠片を読みながら、絵の一部のイメージボードを観ているだけで一気に魅了されてしまいました。ここからどんな物語が広がっていくのだろうか、どんなキャラクターが描かれているのだろうか。堤さんとロバートさんを中心としたトンコハウスの方々が、日々どれだけ作品作りに向き合っていらっしゃるのかがそれだけで感じられるようなものばかりでした。


こういう普段描かれていたであろう、スケッチブックも。
壁にも手描きの絵があったり、隠れイラストがあったりと遊び心もたっぷり。


トンコハウスの姿が作品を通して見えてくる中で、「なぜ、それをつくるのか」ということに一番こだわっていると言っていた、堤さん。今は得意とするアニメーションをつくっているけれど、アニメーションに限らずいろんな形で伝えて物語を伝えていくことも考えているそうです。堤さん曰く、ロバートさんが「公園をつくりたい」なんて話もしていると言っていましたが、トンコハウスがつくる公園がどんな風になるのか、それを考えるだけでもとても面白くて、楽しくなってきます。
そしたらそこに芝生で寝転がりながら野外映画が観られる場所もぜひつくってもらいたいですね!

トンコハウスという場所は、単に作品をつくっていく場所ではなく、さらにその先を見て誰もが物語を通じてその場所に入りたくなる、そして優しく受け入れてくれるようなところなんだな、と感じています。


こちらのトンコハウス展は、会期期間が延びて4月30日土曜日までの開催。
また29日の祝日の金曜日にはストップモーションアニメーター峰岸裕和さんによる"こまどりライブイベント第二弾" (第一弾は堤さん×峰岸さん)があるのですが、このイベントにMCとして参加させていただきます!なんとも光栄な!ラジオ番組でも様々なアニメーション作品の紹介や監督にインタビューさせてもらうということは何度かありましたが、今回はライブイベント。その場でアニメーションを製作していくところに立ち会うことができるんです。
これはアニメーションLoverとしてはもう堪らない時間!

ぜひお時間ある方は、ご参加くださいね。
詳細はこちらからチェックしてください。


トンコハウス展「ダム・キーパー」の旅
@リクルートクリエーションギャラリーG8
4月30日土曜日まで